糖尿病の養生

糖尿病は万病の元です。

糖尿病は、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を誘発する最もキケンな生活習慣病です。
当医院では糖尿病の各種指導を行っております。
どうぞご相談ください。

糖尿病を見逃していませんか?!

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血糖が高いといわれたことがある方、またはその他の項目がいくつかあてはまる方は、糖尿病の可能性が高いので、早急に検査を受け、合併症をおこさないように、適切な治療をうけましょう。

食事で気をつけたい3つのア

「ア」甘いもの
あからさまに甘いもの。
フルーツ、お菓子、炭酸飲料、砂糖、
甘いものは糖分の吸収が速く、血糖値が急に上がりやすい。
「ア」あぶらもの
から揚げ、てんぷら、カツなどの油料理。
少しの量でも、これらは予想外にハイカロリー。
「ア」アルコール
気づかないうちに食べる量がはずんでしまう。
アルコールで血糖値が上がるのではなく、食べている時間と量が結果的に増えてしまう。

とくに体重過多の方、おなか回りが気になる方はこれらに気を付けましょう。

大切な生活リズム

 不規則な食生活はありませんか。
 毎日3食ほぼ同じ時刻に、3食偏りなく食事することが、体にやさしい食べ方です。
朝食を食べたり食べなかったり、夕食のドカ食い、夜遅い時刻の食事はありませんか。
食事ごとの空腹の度合いの大差、ひどく空腹にしての食事は、想定外の食後高血糖を招来します。晩酌しながらの長時間の食事、夕飯後のくだものの多食、就寝までのお菓子は、いかがでしょうか。
 体温や血圧などと同じく、代謝についても、生体は体内の環境をなるべく一定にしようとしています。日々の食事の量、一食ごとの摂取量が大きく動揺するのでは、それに対処する体の方はたいへんです。大丈夫でしょうか。
 また、無用の夜更かしはしていませんか。休日の昼近くまでの朝寝はどうでしょう。これらは体のリズムを乱す元です。
 食生活をはじめ、生活リズムが乱れたままで、糖尿病をよくすることは実に至難です。

HbA1c NGSP値

HbA1C = ヘモグロビンエイワンシーとは

最近1~2ヶ月の血糖値の平均を反映します。

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HbA1cには、 NGSP値とJDS値があります。
2014年4月以降は、NGSP値のみが用いられています。

糖尿病治療におけるHbA1c値の目安

HbA1c値が7%未満、6%台にあれば、ひとまずグリーンゾーンですし、6.5%よりも低値ならば一層よい状態です。

7%台ではイエローゾーンです。注意が必要です。
とくに7.5%より高い場合は安心できません。

8%台の方はレッドゾーンです。
そのままでは行く末が心配です。改善が必要です。

HbA1c NGSP値 コントロールの目標

HbA1cは、まずは7.0%を超さないように管理することを基本的な目標とします。

実際は、糖尿病の方それぞれ個々に、その罹病期間や年齢、現時点の身体状況、併存疾患、生活上の活動度、周囲のサポートなどを考慮して、個別に目標を設定します。

糖尿病による慢性合併症、糖尿病のくすり

細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)

 細小血管症の防止には、HbA1cを指標にしてその7.0%未満を目指し維持します。
自覚症状の有無にかかわらず定期的に眼科受診し、糖尿病眼症のチェックをします。
尿たんぱくに注意し、定期的に尿中微量アルブミンのチェックをします。

平均血糖値の指標であるHbA1cには、空腹時血糖値、食前血糖値が反映されます。
これらを改善する主な薬剤は、SU薬(グリクラジド、グリメピリド等)、ビグアナイド薬(メトホルミン)、チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)で、またDPP4阻害剤(グラクティブ、テネリア等)、SGLT2阻害剤(スーグラ、カナグル等)も有用です。

大血管症(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈病変)

 大血管症の予防には、さらに食後高血糖の是正をすすめていきます。
高血圧症、脂質異常症(高コレステロール血症)、喫煙などの動脈硬化促進因子は併行して必ず治療します。

食後高血糖を是正して血管障害を予防することは、糖尿病治療の本質です。
血糖値の日内変動幅(食後の血糖値と夜中から早朝にかけての空腹血糖値、この2者の差)が小さくなるように治療をすすめます。
食後高血糖の改善には、αGI薬(ボグリボース、ミグリトール等)、グリニド薬(ミチグリニド、シュアポスト等)が用いられ、またDPP4阻害剤(グラクティブ、テネリア等)、SGLT2阻害剤(スーグラ、カナグル等)も有用です。

高齢者(とくに75歳以上)での糖尿病では、重症の低血糖症状をきたすとそれが全身状態悪化の引き金になることがあるため、治療をすすめていく上で「低血糖の回避」が常に考慮されます。

SGLT2阻害剤への期待

 SGLT2(Sodium-glucose cotransporter2)阻害剤は、これまでの糖尿病薬とは異なり、インスリンホルモンの作用とは直接関係しないあたらしい糖尿病薬です。また、それはインクレチン関連薬(DPP4阻害剤など)と同じく日本人の研究成果により治療薬として応用されてきたものです。

 SGLT2阻害薬は腎臓の尿細管で働き、そこでナトリウムとブドウ糖の血中への再吸収を抑制する、それだけの作用です。これによりたくさんの福音がもたらされます。

糖尿病における腎臓での過剰ろ過を適正化して尿タンパクを改善します。臨床の現場にとって尿タンパクを目に見えて改善し得るはじめての治療薬、それがSGLT2阻害薬です。
持続的に尿タンパク陽性となり糖尿病の腎障害への階段を降り始めている状態を上へ引きもどして上げられる、これまではできなかったことが期待されています。

心不全患者の生命予後を改善することもあきらかになりました。脂肪肝の改善、心臓周囲の悪玉脂肪組織の減少、体重の減量効果とインスリン感受性の改善、これらも現実にみられています。

SGLT2阻害剤により血中のケトン体が適度に増加して、ケトン体をエネルギー源にできる心筋、腎臓、(そして脳)などの臓器はそのケトン体により効率良くATPを獲得し、臓器保護効果を得ている可能性があります。
この推論のとおりであれば、SGLT2阻害剤は脳を保護し認知症を予防する、そのような効果も期待されることになります。

( 2017年10月29日 記。 )

糖尿病と食事

 糖尿病(ここでは2型糖尿病)の状態にもっとも大きな影響を及ぼすものは、日々の食生活です。そして、糖尿病の治療において、もっとも根本的でかつ結局いちばん有効であるのは、食事療法です。
 3大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質のうち、吸収された糖質の処理がとどこおって血液中にダブつき、そのためにいろいろな傷害が起きてくる、それがすなわち糖尿病です。(尚、炭水化物とは「糖質+食物繊維」と考えます。)
食事療法といわれても、大抵の方には具体的にどうすればよいか戸惑うこととおもわれます。そこで、ただちに第一歩を踏み出せるようにターゲットをしぼり、メリハリをつけます。
 糖尿病で問題になるのは、食べるもの全てではなく、とくに糖質です。
糖質にねらいをさだめて食事療法をすすめます。漠然と総カロリーを減らしてみても血糖値は必ずしもよくなりません。
 糖質、すなわち米飯、パン、麺類、イモ類、かぼちゃ、大豆以外の豆類、果物、砂糖(菓子類)、これらが糖尿病の食事療法のターゲットです。
 HbA1c値がたびたび7.5%を超えてしまう方は、あらためて自身の食生活を真剣に見直していくことが必要です。

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